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ポール・デスモンド



--- ポール・デスモンド ---


【CDに採り上げられた
       アルバム】

BLUES IN TIME

BLUES IN TIME

FIRST PLACE AGAIN

FIRST PLACE AGAIN

TIME FURTHER OUT

TIME FURTHER OUT

DESMOND BLUE

DESMOND BLUE

COUNTDOWN:TIME IN OUTER SPACE

COUNTDOWN :
TIME IN OUTER SPACE

TWO OF A MIND

TWO OF A MIND


PAUL DESMOND SIX CLASSIC ALBUMS

PAUL DESMOND
SIX CLASSIC ALBUMS(CD)

タイトルおよび曲名

タイトルおよび曲名

            

「SIX CLASSIC ALBUMS」と題されたシリーズは「ラムゼイ・ルイス」、「ホレス・パーラン」、そして本アルバムの3シリーズ持っている。いずれも1,000円以下の価格で6枚から8枚分のCDが入っているお得なシリーズである。中身はいずれも名盤で、現在ではなかなか入手できないものもある。

今回のデスモンド盤は4枚組のCDに実質6枚分のアルバムが入っている。「BLUES IN TIME」と「TWO OF A MIND」はジェリー・マリガン、「TIME FURTHER OUT」と「COUNTDOWN:TIME IN OUTER SPACE」はデイブ・ブルーベックとの共演盤となっていて、それぞれのミュージシャンとのコラボレーションが楽しめる。

ー  ー  ー  ー  ー

【BLUES IN TIME】 1957年、録音。

アルト・サックス、バリトン・サックス、ベース、ドラムスという変則的なカルテットである。アルト・サックスはポール・デスモンド、バリトン・サックスはジェリー・マリガン。二人のサキソフォンによる会話が楽しめる。ジェリー・マリガンはポール・デスモンドに合わせるように、まるで会話をするようにバリトン・サックスを吹いている。ジョー・ベンジャミンのベースとデイヴ・ベイリーのドラムスは会話の邪魔にならないように背景に徹している。
「BODY AND SOUL」におけるデスモンドの話しかけるようなアルト・サックスは絶品である。

【FIRST PLACE AGAIN】 1960年、録音。

アルト・サックス=ポール・デスモンド、エレクトリック・ギター=ジム・ホール、ベース=パーシー・ヒース、ドラムス=コニー・ケイというカルテット。ポール・デスモンドがアルト・サックスを吹きまくり、他の三人がバッキングをするという形態をとっている。
「GREENSLEEVES」「YOU GO TO MY HEAD」「EAST OF THE SUN」などのスタンダード・ナンバーが入っている。「EAST OF THE SUN」のデスモンドのアドリブ・ソロは天馬空を行くごとしである。

【TIME FURTHER OUT】 1961年、録音。

副題が「With DAVE BRUBECK」となっている。実質的にはデイブ・ブルーベック・カルテットである。ピアノ=デイブ・ブルーベック、アルト・サックス=ポール・デスモンド、ベース=ユージーン・ライト、ドラムス=ジョー・モレノという布陣である。
「IT'S A RAGGY WALTZ」は名前の通りラグタイム風の曲である。長年一緒にやっているだけあって、ピアノとアルト・サックスの息はぴったりあっている。

【DESMOND BLUE】 1962年、録音。

ポール・デスモンド=アルト・サックスとジム・ホール=アコースティック・ギターを全面に出し、ハープとストリングスがバックを支えている。冒頭で「MY FUNNY VALENTINE」、末尾で「BODY AND SOUL」というスタンダード・ナンバーを演奏している。二人のデュオ演奏は、都会的な孤独感を漂よわせ、マイルスの「死刑台のエレベーター」を彷彿させるような響きを奏でている。デスモンドの特徴的なアルト・サックスの音色を味わうのに最適のアルバムである。

【COUNTDOWN:TIME IN OUTER SPACE】 1962年、録音。

再びデイブ・ブルーベック・カルテットによるアルバムである。デスモンドは常連のピアノ・トリオをバックにアルト・サックスを吹きまくっている。
「SOMEDAY MY PRINCE WILL COME」ではお馴染みのメロディがなかなか出てこない。まずデスモンドのアルト・ソロから始まり、ブルーベックのピアノ・ソロに引き継ぐ。最後の最後になってブルーベックがピアノで軽く、おなじみのメロディを弾く。しゃれた編曲である。
このグループにおけるデスモンドの演奏は、完全にホームという感じで、のびのび演奏しているのがわかる。聞く方もリラックスして聴ける。

【TWO OF A MIND】 1962年、録音。

ポール・デスモンド=アルト・サックスとジェリー・マリガン=バリトン・サックスの双頭コンボである。バック・ミュージシャンとして、ジョー・ベンジャミン=ベース、ジョン・ビール=ベース、ウェンダル・マーシャル=ベース、コニー・ケイ=ドラムス、メル・ルイス=ドラムスがいるが、ほとんど目立たない。一瞬これはデュオ・アルバムではないか、と思うほどである。
アルトとバリトンのサックス同士の共演は、特にこの二人の場合、声の細い人と太い人が何やら熱心に会話しているようだ。相談しているようでもあり、趣味について語り合っているようでもある。バリトンは年上の友人か、兄貴のような雰囲気である。

ー  ー  ー  ー  ー

1960年代のモダンジャズ界で、ポール・デスモンドのような音色で、曲想で演奏したミュージシャンはほかにいるのだろうか。ポール・デスモンドというひとは、チャーリー・パーカーの影響の強い、ある意味パーカーに支配されていたアルト・サックスの演奏方法を、根本から組み立てなおした、革命的なミュージシャンであったように思う。


   (2026.1.2)

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