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講談カフェ夜席

神田青之丞は2022年に神田伯山に入門。同年神田春陽に入門した神田ようかんと同期である。
「寛永三馬術 : 出世の石段」は馬術の名人曲垣(まがき)平九郎の出世話である。青之丞の話ぶりは師匠とはキャラが違うのにも関わらず、師匠に似せようとしていることがありありとわかる。伯山は松之丞時代から師匠の神田松鯉の話ぶりとは一線を画していた。そこのところを見習ったら、出世の階段を登っていけると思う。

「曲馬団の女」は十二代目田辺南鶴の作。終戦後の混乱する東京を舞台にした新作で、蘭という曲馬団(サーカス)出身の詐欺師の女が主人公である。お蘭は戦中戦後の荒れた時代を、たくましく生き抜いてきた女である。いちかさんは老人には優しく、ヤクザには厳しいお蘭という女を見事に演じ分けていた。

「木村又蔵 (よろい)の着逃げ」は「姉川軍記」の中の一挿話である。姉川の戦いは織田・徳川連合軍と浅井・朝倉連合軍の間で行われた合戦である。木村又蔵は織田信長の家来木下藤吉郎のそのまた家来である。
一龍斎貞橘は春風亭一之輔の大学の同窓で、入門してから25年目のベテランである。在学中は一之輔が部長をしていた落研ではなく、ミュージカル研究会に所属していたそうだ。口調は滑らかだが早口で、聞き取りづらい部分があった。しばしば内輪ネタで笑いを取ろうとする。

愛山先生は新作「小松の嫁入り」。小松とは神田松鯉先生の弟子神田阿久鯉の前座時代の名前である。当時前座は小松しかいなかったため、弟子を持たない愛山は自分の前座に小松を使っていた。小松はものすごく気が利くため、何を任せても120%やってしまう。そこのところを面白おかしく作り上げていた。愛山先生が話すとどんな話でもほのぼのとする。

仲入りをはさんで今日のトリは「天保六花撰 : 丸利の強請(ゆすり)」である。神田春陽は2000年入門の25年目の講釈師。一龍斎貞橘と同期である。口調も滑舌も良く、聞きやすい。まくらはプロ野球ネタでオタク気味。話にはいるといかにも親分風の河内山宗俊がピッタリする。啖呵が気持ちいい。

今日の会は正味2時間25分の長講であったが、演者のキャラが個性的で異なっていたため、退屈しなかった。あっという間に終演になってしまった気がする。外に出たら一日中降っていた雨が止んだばかりだった。

 

(演目)
   ・寛永三馬術 : 出世の石段----- 神田青之丞
   ・曲馬団の女----- 田辺いちか
   ・木村又蔵 (よろい)の着逃げ----- 一龍斎貞橘
   ・小松の嫁入り----- 神田愛山
   ・仲入り
   ・天保六花撰 : 丸利の強請(ゆすり)----- 神田春陽

                   
(時・場所)
 ・2025年7月15日(火)
 ・18:15〜20:50
 ・神保町・らくごカフェ



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