原作は何度も直木賞候補になっている深緑野分。彼女は「オーブランの少女」「戦場のコックたち」「ベルリンは晴れているか」など何冊かの魅力的な本を書いている。
本映画はファンタジーである。岡山あたりの地方都市の旧家。主人公の曽祖父が大量の本を保管していて、街の人に開放していた。私設図書館である。その娘である祖母はそれを相続した。祖母は本を厳格に管理していた。ある時、何冊かの本が盗まれた。それを契機に祖母は施設図書館を閉鎖した。そして今後本が盗まれたら、街全体を別の世界に変えてしまうという、呪いをかけて亡くなった。施設図書館を相続した父親は祖母の方針を受け継ぎ、厳重に閉鎖している。
という設定から物語は始まる。
登場人物は図書館の本を読んでいるか、昼寝しているか、のどちらかしかしない叔母。 主人公の女子高生。入院中の父親。不思議な少女ましろ。
ある日主人公が図書館に入ってみると、何冊かの本が盗まれているのを発見する。大変だ。祖母の呪いが発動する。
物語は現実ともう一つの世界、パラレル・ワールドを行ったり来たりして展開してゆく。
女子高生が暮らしている街の風景、図書館の中の様子はリアルで魅力的であった。ファンタジックな風景は想像力がいまいち足りない。この場面は描きようによってはもっと魅力的になったはずである。
(2026.1.9)
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