小中学校は社会の縮図である。
子供たちの中には未来の警官もいれば泥棒もいるかもしれない。
大工になるのに適した子もいれば美容師になるべく生まれてきた子もいるだろう。
横並びにみんな一緒に教育するなど不可能なのだ。
ある基準をもとに教育するならその基準に合わない子は評価が低くなる。
能力の低い教師に当たったら勉強以外のことが得意な子供にとっては不運である。
能力の低い教師はマニュアル通りの教え方しかできないだろうから勉強ができる子供の評価が高くなるだろう。
さかなクンという変わったキャラクターのひとがいる。彼は魚類学者、タレント、イラストレーターとして活躍している。
最近、絶滅したとされていたクニマスを発見したことでさらに有名になった。
さかなクンは本名を宮澤正之といい、囲碁の宮沢吾朗九段の息子である。
宮沢吾朗というひとは「先生の常識は世の非常識。常識人でありたいのなら、この先生の碁に深入りしてはならない。」とまで書かれた天才である。
囲碁の世界は二世棋士が多く、多くの棋士は自分の子が小さいときに囲碁を教えるようである。5,6才でアマチュアの五、六段になっていないとプロにはなれない世界である。宮沢九段もさかなクンに囲碁を教えたがいくら教えても覚えることができなかったようである。
ものごころつくころから魚の絵ばかり描いて囲碁に全然興味を示さない子に魚の図鑑を買い与えたのは彼の母親だった。
囲碁の世界ではさかなクンは落ちこぼれである。
さかなクンはいま小さいころの夢であった水産大学(現在は海洋大学)の準教授である。また、海に関する研究や啓蒙活動に貢献した「海洋立国推進功労者」として、2012年に内閣総理大臣賞を受賞している。
判断基準を他に求めざるを得ない幼年時代、身の回りに良い教師がいるかいないかでその子の運命が変わってしまう。
その際、良い教師は必ずしも学校の先生である必要はないということはさかなクンが証明している。
(2014.3.8)
|