グラズノフ作曲によるバレエ音楽「四季」は短い曲が18曲入っている。前奏曲に続いて、冬、春、夏、秋の章が演奏される。それぞれの章の中に1曲から9曲入っている。
バレエ音楽なので、これらの曲に従ってバレエが踊られるのだろう。そちらの方も見られたら楽しいだろうと思った。
チャイコフスキーの交響曲「悲愴」もまた第1楽章から第4楽章まで、冬、春、夏、秋という季節にしたがって構成されている。
冬は死ではなく生まれ出るための胎動=準備の季節である。春は元気よく生まれ出て、暖かい季節を楽しむ。夏は活動の季節である。そして秋。静かに散って大地に戻る。
中国では四季を表現するのに「幻冬」「青春」「朱夏」「白秋」という。春夏秋冬ではなく、冬から始まっている。冬は死の季節ではなく、生のための準備の季節なのである。
第4楽章の終わり、鼓動のようなコントラバスの音が徐々にゆっくりになり、静かに止まる。人生の終わりである。チャイコフスキーはこの曲を書いてから9日目に亡くなった。
指揮者の鈴木衛氏は両手を大きく広げて、感情豊かにこの曲を表現した。そして最後は両手を閉じるように静止し、そのまま何秒間か止まったあと、静かに指揮棒を置いた。
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