開場の10分前に着いたら、人が道路にまではみ出るほど長蛇の列。一瞬「えっ」と思ったが勘違い。同じ建物の2階で営業しているカレー屋の客だった。
こちらは大体いつも通りの人数が並んでいた。始まる直前には50席がほぼ満席。土曜日の昼下がりのらくごカフェのいつもの景色だ。
今日の一席目は近況報告に続いて「気候変動 : カーボンニュートラル」という噺。題名はこちらで勝手につけた。古典落語の枠に最新の話題であるカーボンニュートラルをはめ込んだ噺である。
次は「四角関係」。彼氏の浮気相手のところへ怒鳴り込んでいくと、意外にも浮気相手は自分で、彼女は本命だった。しかも自分は2号どころか3号で・・・、という噺。
仲入り後は今日のトリ「試食の女王 : トング松本」。スーパーの竹輪売り場で試食のコーナーを担当している松本さんが主人公。ある日彼女のところへ本社から新人が送られてくる。松本さんは一生懸命教えようとするが、彼は全然やる気がない。
彼女の熱心さが裏目に出て、新人に対するパワハラととられてしまう。店長にさとされた松本さんは今度はクールに接すると、無視されたといわれてしまう。
どうしたらいいのかわからなくなった松本さんは逆上して、自分なりのやり方で新人を教育する。その後店長に辞表を出すと、店長は・・・。新人山口くんの最後の言葉「・・・ボク、松本さん乗りです」には泣かされた。
最近の若者のシラケは、以前のシラケとは違う。以前のシラケは巨大な勢力に対して戦いを挑み、刀折れ、矢尽きて手も足も出なくなったためのシラケであり、最近のシラケは、生まれた時から、行く道を八方ふさがれたあげく、手も足も出せなくなったためのシラケであろうと推察する。そのような境遇の若者は、スマホを見ながら「・・・ボク、松本さん乗りです」とつぶやくのが最大の抵抗なんだろう。
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