三遊亭愛二郎は愛楽の息子である。愛楽は笑点の座布団運びの補佐をしている。つまり山田くんに座布団をわたす係である。
おなじみの前座噺「新聞記事」。愛二郎は発声が良く、聞き取りやすい。これは落語家として大事な素質である。
今日の萬橘は長いまくらの後、「千両みかん」に入っていった。まさに今の季節の噺である。今はきゅうりとトマトとナスの季節。萬橘は緑色の手拭いを絞ってきゅうりに見立て、噺をうまく展開していた。
番頭がみかん三房を手に逐電する噺で、普通に考えると不自然な噺なのであるが、思い込みの激しい番頭が徐々に追い込まれて、精神状態がおかしくなる様子を演じることで、不自然さを感じることなく話に没入できた。
仲入り後は大ネタの「らくだ」。大家が兄貴分「丁の目の半次」の名前を「手水鉢のパンジー」と間違えるなどのくすぐりを入れて笑いを誘っていた。
気弱な屑屋が酒を飲むうちにだんだん気が大きくなり、しまいには「らくだ」と化してしまうあたりの演出は、ニーチェの「怪物と戦う者は、その際自分が怪物にならぬように気をつけるがいい」という考えを体現しているようで興味深かった。
「千両みかん」と「らくだ」は両方とも大ネタなので2題かけるだけで終演予定を15分も超過してしまった。大熱演であった。
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