劇音楽「皇帝ボリス」序曲のV.S.カリンコフと組曲「中世より」のA.K.グラズノフはいずれもロシアの作曲家である。筆者にとって初めての作曲家であった。
両方ともスラブ系の曲想の音楽で、ロシアの曲を聴いたという満足感を覚えた。
チャイコフスキーの「交響曲第5番 ホ短調」は筆者にとって一番お馴染みの曲で、それだけに要望も多い。
本日の演奏には満足感は乏しかった。
本曲は全楽章同じメロディの連続で、同じメロディがフーガのように繰り返される。それだけに工夫がなければ曲全体が単調になってしまう。
本日の演奏では指揮者が楽章ごとに長い間を挟んだのが緊張感を削いだ。今までに聴いた良い演奏では、第3楽章と第4楽章の間は間を置かないで、たたみ込むようになだれ込んでいた。それで前楽章までの緊張感を持続するとともに、さらに盛り上がっていこうかという気分が高まっていた。本日の演奏は各楽章を独立した曲として演奏していた。ために同じメロディがボレロのように高まって行く様子を見せず、ぶつ切りの状態で陳列されたメロディに終始してしまった。
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