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田中一村展 / ロートレック展 / 国立西洋美術館常設展 / 北欧の神秘 / 鳥文斎栄之展


--- 田中一村展 ---

田中一村展
   田中一村展チラシ

田中一村展
   田中一村展チラシ

田中一村展
   田中一村展作品

田中一村は栃木県に生まれ、幼少期から天才といわれていた。東山魁夷と同時期に東京芸大に入学したが、家庭の事情で2ヶ月で退学している。その後は自活しながら栃木、長野、千葉と渡り歩き、50才から70才で亡くなるまでは奄美大島に移り住んだ。奄美大島では染色工として働きながら絵を描いた。

東山魁夷と同時期に生きた天才にもかかわらず、あまり知られていないのは彼が積極的に中央の画壇に出ることなく、絵を描き続けたからである。

本展覧会では初期の作品から晩年の作品に至る300点余りの作品が展示されている。一通り見るだけでも大変な量の作品であった。油彩の作品は一点もなく、すべて水彩か日本画の作品であった。

そのいずれもが魅力的な作品で、初期の作品は水彩による細密画で目を惹き、奄美大島に渡ってからの作品は油彩とも思えるほどの鮮やかな色彩が目を惹いた。

開催期間 2024年9月19日(木)から2024年12月1日(日)まで東京都美術館にて。



田中一村展    田中一村展

(2024.10.10)




--- ロートレック展 ---

ロートレック展
    チラシ(表)

ロートレック展
    チラシ(裏)

ロートレック展
  ディヴァン・ジャポネ

ロートレック展
キャバレのアリスティド・ブリュアン

ロートレック展 ロートレック展

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックは伯爵家に生まれた。13才の時に左の大腿骨を、14才の時に右の大腿骨をそれぞれ骨折して以降脚の発育が停止し、成人した時の身長は152cmに過ぎなかった。自身が身体障害者として差別を受けていたこともあってか、娼婦、踊り子のような夜の世界の女たちに共感。パリのムーラン・ルージュをはじめとしたダンスホール、酒場などに入り浸り、踊り子や娼婦たちと頻繁に関係を持つデカダンな生活を送った。

差別を受けたストレスなどからアブサンなどの強い酒に溺れ、アルコール依存に陥っていた他、奔放な性生活もあって梅毒も患っており、心身共に衰弱し、36才のときに脳出血で死去した。

今回の展覧会ではおなじみのポスターなどの他スケッチやデッサン、素描などが数多く出品されている。派手な色彩のポスターとは裏腹に鉛筆による素描画はいたずら書きのように簡単に描いてある。奇抜さとは正反対の絵からは、それを描いている時のロートレックの孤独な心を読み取ることができる。

開催期間 2024年6月22日(土)から2024年9月23日(月)までSOMPO美術館にて。


  ロートレック展 ロートレック展

ロートレック展 ロートレック展

(2024.10.13)


--- 国立西洋美術館常設展 ---

国立西洋美術館 外観
国立西洋美術館 中庭小企画展 案内

今日も35℃超えの暑さ。涼を求めてドア・トゥー・ドアで30分の上野の国立西洋美術館へ行った。平日の午後3時前ということでガラガラだろうと思っていたが、意外に混んでいた。考えることは同じか。そういえば最近平日の図書館も混んでいる。

常設展示室で、小企画展 : 「西洋版画を視るーリトグラフ:石版からひろがるイメージ」というのをやっていた。これがなかなか興味深かった。版画は絵画と違い、絵の境界がはっきりしていて脳に直に訴えてくる。印象が明確に脳内に形作られる。一口でいうと、見ていて気持ちが良い。


【小企画展】

「西洋版画を視るーリトグラフ:石版からひろがるイメージ」 「西洋版画を視るーリトグラフ:石版からひろがるイメージ」 「西洋版画を視るーリトグラフ:石版からひろがるイメージ」 「西洋版画を視るーリトグラフ:石版からひろがるイメージ」 「西洋版画を視るーリトグラフ:石版からひろがるイメージ」

【常設展】

ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ「貧しき漁夫」 ヴィルヘルム・ハマスホイ「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」

(2024.7.25)


--- 北欧の神秘 ---

北欧の神秘 ポスター
北欧の神秘 ポスター

北欧の神秘
北欧の神秘

スウェーデン国立美術館、ノルウェー国立美術館、フィンランド国立アテネウム美術館から集められた絵画の展覧会である。

北欧の絵画は日本でよく見られる印象派の作品とはまるで違う。一口で言うと暗い。よく見ると深みがある。じっくりと見ていると絵の中に引き込まれそうになる。

本展覧会でフォーカスされたノルウェーの画家テオドール・キッテルセンの作品「トロルのシラミ取りをする姫」を見ると、北欧の長い冬を家の中で過ごす気持ちがじわじわと伝わってくる。

スウェーデンの画家マルクス・ラーションの作品「滝のある岩場の景観」はどこまでも険しいフィヨルドと、どんより垂れ下がった雲の配置は、どこまでも厳しい北欧の自然を表現している。

その他、ムンクのイメージに反して色彩豊かな作品「ベランダにて」とフィンランドの民族叙事詩「カレワラ」をイメージしたガーラル・ムンテの「帰還するオースムンと姫」は興味深かった。後者は「風の谷のナウシカ」に出てくる古代の壁画のようだった。




滝のある岩場の景観 トロルのシラミ取りをする姫



開催期間 2024年3月23日(土)から2024年6月9日(日)までSOMPO美術館にて。

(2024.4.12)


--- 鳥文斎栄之(ちょうぶんさいえいし)展 ---

ポスター1

 


ポスター2

 


貴婦人の船遊び

 


三福神吉原通い
千葉市美術館

鳥文斎栄之(ちょうぶんさいえいし)の絵は外国の美術館に点在していて、それらをまとめて見る機会はめったに無い。今回はボストン美術館と大英博物館および国内に点在している作品を集めた貴重な展覧会である。

鳥文斎栄之は旗本の長男に生まれた。徳川家治の御納戸役を勤めたのち33才で隠居し、73才で亡くなるまで浮世絵師として活躍した。

お役目を果たしたのち隠居し、自分の好きな道にすすむというやり方は伊能忠敬に通じるものがある。士農工商という身分制度が明確に存在した時代である。その生き方は現代人も見習わなければならない。

彼の作品はいずれも細かい筆で細密に描いてある。なかでも遊女の着物の優雅な曲線のラインは彼独自のものであろう。

この時代の作品にしては色彩が鮮やかに残っている。特に赤と緑は鮮やかである。保存状態が良かったのだろう。

戦前の日本人は浮世絵を美術品として認識していなかった。初めて浮世絵の芸術性を認めたのはフランスの印象派の画家たちであった。

したがって素晴らしい作品のほとんどが海外に流出している。残念なことだが反面、保存に気が使われていて、良い状態のまま残されている。

美術館の建物は、市内に残る数少ない戦前の建物(旧川崎銀行千葉支店)を新しい建物で包み込むように設計されており、重厚な雰囲気を持っている。

吉野丸船遊び 郭中美人画 渡辺崋山作「佐藤一斎像」

入場券

2024年1月6日(土)から2024年3月3日(日)まで千葉市美術館にて開催中。

(2024.2.22)

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