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アート・ファーマー/ ポール・デスモンド/ 渡辺貞夫/ キャノンボール・アダレイ/ 秋吉敏子/ オスカー・ピーターソン/ ノエル・ポインター/ 北村英治/ オーネット・コールマン/ 富樫雅彦


---アート・ファーマー---

「アート・ファーマー・ライブ・イン・Tokyo」

アート・ファーマー・
ライブ・イン・Tokyo

1977年4月東京郵便貯金ホールでの実況録音盤。

当時はアメリカの有名なジャズマンが次々に来日して大きなホールで演奏していた。郵便貯金ホール、新宿厚生年金会館、日比谷公会堂、…。

このLPの演奏もその中のひとつ。フリューゲルホーンのアート・ファーマーはトランペットの音を柔らかにしたようなフリューゲルホーンを使ってひたすらリリカルにモダンジャズを演奏する。

どこも角張ったところの無い演奏は安心して音楽に浸りきることができる。第2面の"ラヴ・レター"はベテランのリズムセクション(シダー・ウォルトン-pf、サム・ジョーンズ-b、ビリー・ヒギンズ-ds)をバックに実に気持ちよく一点の曇りも無い秋空のような音を出している。

(2012.12.31)


---ポール・デスモンド---

「ザ・デイブ・ブルーベック・カルテット・アット・カーネギー・ホール」

ザ・デイブ・ブルーベック
・カルテット・アット・
カーネギー・ホール

このLPを購入したのはデイブ・ブルーベックのピアノを聴くためではない。

ただただポール・デスモンドのアルト・サックスを聴くためだけなのだ。

渡辺貞夫のアルト・サックスを太陽とするならばポール・デスモンドのアルト・サックスは月。動に対して静。昼に対して夜。

商売女に対して深窓の令嬢というのは言い過ぎか。とにかくリリカル。深夜、皆寝静まった時間帯に、音量をひたすら落として聴くポール・デスモンドは私たちの心を限りなく慰めてくれる。

(2012.12.24)


---渡辺貞夫---

「オータム・ブロー」

オータム・ブロー

渡辺貞夫がリー・リトナー(g)、アーニー・ワッツ(ts)、ハービー・メイソン(ds)らを従えて1977年秋10月23日、新宿厚生年金会館でアルトサックスとフルートを吹きまくった演奏です。

すべての曲が渡辺貞夫のオリジナルです。激しい演奏もあれば可愛らしい曲もあります。すべての演奏を、楽しくなければジャズではないという彼の哲学に沿ってプレイしています。

秋から冬、インドアな生活のひととき、ナベサダはいつでも私たちの心を浮き立たせてくれます。

(2012.12.1)


---キャノンボール・アダレイ---

「サムシン・エルス」

枯葉

ジャケットにはキャノンボール・アダレイがリーダーのようになっていますが、実はマイルス・デイビスがリーダーだったといういわくつきのLPです。契約会社の関係でマイルスが表に出れなかったということです。

すべての演奏がこれぞモダンジャズという演奏ですが、私が一番好きなのは第1面2曲目の"ラブ・フォー・セール"です。軽快なマイルスのトランペットから始まり、それを受ける形でキャノンボール・アダレイのアルトサックスが乗りに乗った演奏をする。思わず体が動いてしまいます。

解説の野口久光が「三枚くらい持っていたいジャズ史上の名盤」といっていますが、まさにその通りの名盤です。

(2012.8.14)


---秋吉敏子---

「ロード・タイム」

ロード・タイム

秋吉敏子&ルー・タバキンビッグバンド日本公演実況ライブ盤

このLPには最盛期のトシコ&タバキンビッグバンドの日本公演時のはつらつとした演奏が収められています。1976年1月 中野サンプラザホール、2月 大阪厚生年金会館、大阪サンケイホールでのコンサートを録音したものです。

トシコ&タバキンビッグバンドのすごいところは演奏する曲のすべてが秋吉敏子によって作曲されたものであることです。どの曲を聴いてもウッドウインドのアンサンブルの見事さ、ドラムスのドライブ感の良さが聞き取れます。ウッドウインドはルー・タバキンがテナーサックス奏者であるから、ドラムスについては秋吉敏子がこだわりを持ってドラム奏者を選んでいたから、と解説に書いてありました。

秋吉敏子は今年83才、10月に夫ルー・タバキンを含むカルテットで来日します。コンサートに行くのを今から楽しみにしています。

(2012.7.22)


---オスカー・ピーターソン---

「モントルー'77 オスカー・ピーターソン・ジャム」

モントルー'77 オスカー・
ピーターソン・ジャム

モントルー・ジャズ・フェスティバルにおけるオスカー・ピーターソン他のジャム・セッション。

レギュラーのトリオでのピーターソンとは一味違ったラフな演奏です。LPの表紙も演奏者の名前を書いただけという力を抜いたつくりになっています。

その代わり、ニールス・ペデルセン(B)やデイジー・ガレスピー(Tr)らのこれでもか的なワザを楽しめます。全体的にはジャム・セッションだけに自分たちのグループできっちりした演奏をした後、楽な気分で楽しんで演奏しています。一面最初のAli & Frazierは当時全盛だったモハメッド・アリとジョー・フレイジャーの一戦を題材にピーターソンが作った曲でアップテンポの軽快な曲になっています。

(2012.6.5)


---ノエル・ポインター---

ノエル・ポインター「ホールド・オン」

ホールド・オン

ノエル・ポインターのエレクトリック・ヴァイオリン&ヴォーカルです。

ジャズに精神的なもの、求道的なものを求める人には向きません。

ジャズに軽やかなもの、楽しいものを求める人には最適の音楽だと思います。日曜日の夜、明日から始まる現実の世界に背を向けて、まだまだ俺の時間だぞ、とつぶやきながら聞いていると、ノエルは微笑みながらこれならどうだいと「スーパーウーマン」を弾いてくれます。

(2012.6.3)


---北村英治---

北村英治「北村英治vs鈴木章治クラリネット・バトル」

北村英治vs鈴木章治
クラリネット・バトル

北村英治が六本木のジャズ・クラブ「バードランド」で演奏した時の実況録音盤です。

日本のクラリネット奏者の双璧、北村英治と鈴木章治が共演するのだから楽しくないわけがありません。

その他、世良譲(P)、増田一郎(Vib)、原田政長(B)等々、当時の日本のジャズ界のエース級が勢ぞろいしてスイングしまくっています。

(2012.5.26)


---オーネット・コールマン---

オーネット・コールマン「ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン」

ゴールデン・サークルの
オーネット・コールマン

オーネット・コールマンがスウェーデンの"ゴールデン・サークル"というジャズ・クラブで演奏した時の実況録音盤です。

このLPを買った時代に聞いたときは荒々しいという印象だったオーネット・コールマンのアルト・サックスの音が、今聞くと心にすっと入ってきます。

週末の夜、飽和状態になった頭の中をゆっくり揉みほぐしてくれる音楽です。

(2012.5.25)


---富樫雅彦---

富樫雅彦「バラッド」

バラッド

富樫雅彦のバラッドのジャケットです。
ジャケットを見ているだけで何となく良い気分になってきます。

静寂の中に響く澄んだパーカッションの音が耳に残ります。
ワインを飲みながら聴くのに最適の音楽です。

(2012.5.6)


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