クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルが1970年にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行った演奏の実況版である。
ホールで行われた演奏の前にメンバーの紹介フィルムが収められている。それによると、ジョン・フォガティ(ギター、ヴォーカル)スチュ・クック(ベース)ダグ・クリフォード(ドラムス)は中学時代の友人で、それにジョンの兄トム・フォガティ(ギター)が合流してグループを編成した。バンド名をクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルと決めたのは1968年からとのことである。同年カバー曲の「スージーQ」で知られるようになった。
1970年に行われたロイヤル・アルバート・ホールでのコンサートは大盛況だったから、わずか2年でロック界のスター・グループにのし上がったことになる。
筆者はほぼリアルタイムで彼らの演奏を聴いていた。音源はTBSラジオの「パックイン・ミュージック」である。その時のDJは若山弦蔵と八木誠であった。この二人が担当していた時期は1969年から1970年となっているから、彼らはデビューしたばかりのクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルをリアルタイムで日本に紹介していたことになる。
コンサートは「ボーン・オン・ザ・バイヨー」からスタート、「グリーン・リヴァー」「トラヴェリン・バンド」「フォーチュネイト・サン」「バッド・ムーン・ライジング」「プラウド・メアリー」など、全米チャート上位にランクインしたヒット・ナンバーが続く。
ラスト、8分半に及ぶ「キープ・オン・チューグリン」は凄まじい盛り上がりで、クラシックの殿堂にもかかわらず観客は立ち上がって踊りだしていた。
映画館は月曜日の午後2時にもかかわらず、全200席のうち半分くらい入っていた。
このバンドは1972年に解散した。活動期間はわずか4年間であった。それから50年以上経った今でもウイークディの午後の映画館にこれだけのファンが集まるということは、彼らの演奏の求心力の強さを物語っている。
このライヴは2022年9月、「ライヴ・アット・ロイヤル・アルバート・ホール」としてCD化された。50年ぶりに発見された映像と音源であった。
この映画館、ヒューマントラストシネマ渋谷は座席の幅と全面のスペースが他の映画館より広く、質の良いPAシステムを使っている。音楽を聴くのに最適の映画館であった。
(2023.9.25)
|