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レ・ミゼラブル /  ドリームハウス / 危険なメソッド / あなたへ / アルゴ / 最強のふたり / ダークナイト・ライジング / The Grey 凍れる太陽 / 崖っぷちの男 / 謀議 / ソウル・サーファー / ガス燈 / 裏切りのサーカス


---レ・ミゼラブル---


「レ・ミゼラブル」ポスター

ヒュー・ジャックマンのジャン・バルジャンはミスキャストだった。ラッセル・クロウのジャベール警視も…。

1998年のリーアム・ニーソンのジャン・バルジャン、ジェフリー・ラッシュのジャベール警視は迫力があった。全編にわたってこの二人の対決の雰囲気をかもし出していた。

もっともこの作品はミュージカルだからそういう迫力よりも違うものを求めているのかもしれないが。

映像は迫力があった。パリの下水道はかなりリアルな出来だった。
エポニーヌを演じたサマンサ・バークスという人はどういう経歴の人なんだろう。この人が雨の中で歌うソロは胸がつぶれそうになるほどせつなかった。マリウスの腕の中で死んで行く時の彼女には神々しささえ感じた。

(2012.12.26)


---ドリームハウス---


007のダニエル・クレイグ主演。この映画の共演をきっかけに結婚したレイチェル・ワイズ。そしてベテランのナオミ・ワッツ。取りこぼしの無い配役だ。

ダニエル・クレイグはどんな目にあっても自信満々なジェイムズ・ボンドよりも、何がなんだかわからない状況の中で苦しむウィル・エイテンテンのほうが良い。本人も役者をやってると実感できるのではないか。

中身はスリラーでありミステリーであり、オカルティックな要素もある。先が読めない映画だ。最後はすべて解決がつく。映画を見ながらこれはヒッチコックだな、と思った。ダニエル・クレイグが撮影終了後すかさずレイチェル・ワイズに結婚を申し込んだのもうなづける。だって、…になるといけねえ。(談志でお願いします。)

(2012.11.25)


---危険なメソッド---


"デンジャラス・メソッド"(原題)、または"危険な処方"にならなかったものか。中途半端な題名。

フロイトとユングそしてユングの患者で後に寛解し精神分析学者になった女性の話。 三人がずっと会話している雰囲気の映画だった。 ユングという人はこういう人でフロイトとはこういう関係だったのかということが分かって興味深かった。 フロイトとユングの関係そして映像が良くて2時間あっという間に見てしまった。 キーラ・ナイトレイは三人の中で一人だけオーバーアクト気味で浮いていた。

嫌いな映画ではない。

(2012.11.11)


---あなたへ---


なんば駅前


デイヴィッド・クローネンバーグ監督の"危険なメソッド"を見るつもりでなんばへ行った。 ところが目的の映画館がなかなか見つからない。見つからないうちに上映時刻が過ぎてしまった。 別の映画館へ行ったが、どうにも食指が湧くものがない。

今日は映画はやめにしようと思いながらもう一度さっきの場所へ行ったら思いもよらない所に目的の映画館があった。"危険なメソッド"の上映開始時刻は過ぎているから他の映画にせざるを得ないが、その時刻にやっているものは高倉健の"あなたへ"しかない。これは見られない映画でもないだろう、と入ることにした。

見始めたら脚本はなっていないし、演出はひどい。俳優だけはいい人がたくさん出ている。大滝秀治、佐藤浩市、余貴美子、長塚京三、原田美枝子、田中裕子、その他多数。これだけの俳優を使えたら、別の脚本で別の監督が撮ればかなりいい映画になるんじゃないかと思った。 原田美枝子、田中裕子などはどう演技していいかわからない台詞を与えられて困っているように見えた。 高倉健も必然性のない台詞をどうしゃべろうかと苦心しているように見えた。

最後に近づき、あの写真をどうして…、と思っていたとき、話は急展開し…。 高倉健の決めの台詞「自分は今日、鳩になりました。」が出た。港を黙々と歩く健さんを見ながらぐっと来るものをこらえながら立ち上がれなくなってしまった。明るくなって周りを見るとなんと一人も立ち上がっていない。こういうこともあるんだ。

外に出て南海通りを歩きながら、自分が健さんになって歩いているのを感じた。

(2012.11.4)


---アルゴ---


死ぬほどドキドキした。心臓の弱い人は見ないほうがいい。

この映画はホラーではない。イラン政府に追われたアメリカ大使館員がイラン国内から脱出する話だ。それも荒唐無稽な手を使って。ありえないような話だが実話だ。この実話をベン・アフレックは製作、監督、主演してしまう。才能のある人だ。

(2012.10.30)


---最強のふたり---


評価が高い作品なので見ました。

笑いと涙の感動作品ということだったのですが、笑いも涙も起きませんでした。
フランス人の感性は日本人とはちょっと違うという感じを受けました。

それから元の「Untouchables」という題名も「最強のふたり」という日本の題名もピンときませんでした。

(2012.9.2)

---ダークナイト・ライジング---


ほとんど寝てました。

何故か起きるとアン・ハサウェイが出ていました。
バット・モビルに乗ったアン・ハサウェイはかっこよかったです。アン・ハサウェイのキャット・ウーマンを見ただけで入場料(1,000円、シルバー料金のため。)分の価値がありました。

悪役ベインになったトム・ハーディ、今年最初に見た"裏切りのサーカス"では屈折したやさ男のスパイの役でしたが、今回は筋肉ムキムキの乱暴者の傭兵の役。1〜2年でよくこんなに体型が変われるもんだと思いました。

(2012.8.20)

---The Grey 凍れる太陽---


The Grey 凍れる太陽


飛行機が墜落し、アラスカの雪原の中にほうりだされた俺。助かったのは俺を含めて7人。壊れた飛行機の周りには数十頭のアラスカオオカミ。ライフルは壊れて使えない。

映画が始まって15分でこういう状態になる。
7人に襲い掛かるマイナス20℃の吹雪、そしてオオカミ。ひとり、またひとりと仲間がオオカミに殺されていく。

崖にロープを渡して向こう側に渡ろうとするシーンでは高所恐怖症の人が途中で落ち、下にはオオカミが待っていて…。
オオカミに追いかけられて氷の川に飛び込み、岩に足を挟まれてそのまま…。
最後に残った俺はずぶ濡れになりながらも岸から這い上がる。そこに待っていたのは腹をすかした数十頭のオオカミ。小さなナイフを片手に向かい合う俺。

映画館を出た俺を待ち構えていたのは頬に当たる熱風とショッピングセンターに向かうヒトの群れ。
2時間の貴重なアラスカ体験でした。映画館の冷房もいつもよりきつめだったような…。

(2012.8.19)

---崖っぷちの男---


映画館で見た今年13本目の作品です。面白かった。だけど面白かっただけ。面白かっただけで何が悪いんだ、という方にはお勧めの映画です。

原題は"Man of a Ledge"。「崖っぷち」というより「でっぱり」とか「窓棚」とかの意味です。

私が良いと思ったのは共演の女性、エリザベス・バンクス。自殺者を説得する係の刑事役。最近説得に失敗して落ち込んでいる彼女に電話がかかってくる。またかよ。と言ったときの彼女の表情が最高。ここだけもう一度見たい。そして英語で何と言っているのか確認したいと思いました。

その他「アポロ13」「スターリングラード」のエド・ハリス、「ダイ・ハード2」の悪役の人、ウィリアム・サドラーが出ていました。二人とも1950年生まれです。私より2才年上ですが、父親と言っても良いくらい老けていました。

(2012.7.21)

---謀議---


謀議

DVDで謀議を見ました。ユダヤ人絶滅計画について関係省庁幹部が一堂に会したヴァンゼー会議の話で、実話です。

舞台はドイツ、ヴァンゼーの森の中の一軒家にドイツ政府の要人たちが三々五々集まってくる。その数15人。アイヒマンは知っていたが、ハイドリヒ、シュトゥッカート内務次官、クリツィンガー博士、クロップファー党官房法務局長等、映画を見て初めて知った人物ばかり。もちろん私の不勉強で、皆歴史上実在した人物。

招集をかけたハイドリヒは一番最後に登場する。その間他の13人はワインを飲みながら今日は何で集められたんだろう、などと話し合っている。ちなみにアイヒマンはハイドリヒの片腕で、会議のお膳立てをする。

ハイドリヒの一方的なリードで会議は始まる。巧みな話術で脅したりすかしたりしながら、紳士的な態度を崩さず自信満々に会議を進めるハイドリヒ。演ずるケネス・ブラナーはみごとな演技だ。何も知らない13人の要人たちを言葉巧みにリードしていく演技は、「12人の怒れる男」のヘンリー・フォンダを髣髴する。あれは正義が勝利する話だった。こちらは悪が勝利する話だけど…。

最後まで緊張感のある映像は歴史を知らなくても十分楽しめました。2001年、アメリカTVドラマ。

(2012.7.17)

---ソウル・サーファー---


ベサニー・ハミルトン著「ソウル・サーファー」

ソウル・サーファーを見ました。片腕のプロサーファー(ベサニー・ハミルトン--今年22才)の話で、実話です。

サメに片腕をかみ取られたあとの少女の立ち直りが早く、前向きな姿勢に頭が下がりました。その裏には家族全員のサポートがあったこともさりげなく描かれています。
サーフィンのシーンがすばらしく、ハワイの海の透明感が良く出ていました。また、サーフィンしているところを間近から追いかけていますが、カメラマンはどういう位置から撮っていたんだろうと思わせました。

エンドロールで実際の主人公の生活シーン、サーフィンシーンが出てきますが、これが女優さんがやっているシーンよりも数段迫力があり、プロサーファーそのものでした。
映画初日の舞台挨拶に本人が登場したそうですが、映画のシーンと同様ノースリーブ姿で現われ、実に明るい人だったそうです。

最近こういう前向きの明るい映画がなかったので、見終わったあと良い気分になりました。

(2012.6.10)

---ガス燈---


ガス燈

イングリッド・バーグマンのガス燈をTVの録画で見ました。

バーグマンが主演女優賞を取ったことで題名は有名ですが昔の古臭い恋愛映画だろうな、という先入観があって何となく見ないでいたものです。

最近またBSで放映したので録画して見たところ、目からうろこが落ちました。こんな話だったのか。途中からドキドキして最後までドキドキしっぱなしでした。
これはシャーロック・ホームズの世界だな。
と思いました。「ガス燈」「辻馬車」「霧のロンドン」等々、ここにホームズが出てきても不思議はありません。シャルル・ボワイエのみごとな色悪(いろあく)ぶり、颯爽としたジョゼフ・コットン、そして優雅なイングリッド・バーグマン、…。どの役者も見事です。
それにしてもバーグマンのウエストってこんな細かったのか。

(2012.6.8)

---裏切りのサーカス---


裏切りのサーカス

裏切りのサーカスを見ました。

製作者の中にジョン・ルカレの名前があったので、さすがに原作に忠実に作ってある、と感じました。

原作では小太りでずんぐりむっくりのスマイリーが、かっこ良すぎるのは、映画だからしょうがないか。

(2012.5.11)

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