桂三木男  一覧へ


チラシ

三木男は3年ぶりだ。出てきたときの感じが3年前と変わっていた。痩せて一回り小さくなったようだ。写真で見る三代目桂三木助に似ている。若くして亡くなった四代目にもなんとなく似ている。

「雛鍔」を始める前のまくらが固い。3年前の「らくごカフェ」では独特の軽さと余裕があったのに…。笑いがこない。

「お見立て」は遊郭もの。花魁と大尽の駆け引きが面白い噺だが、ここでも笑いがこない。

仲入り前はゲストの柳家喬太郎。いつもながらの軽いノリで始めの一言二言で笑いがどっとくる。噺は同僚の父親の三回忌から始まる。かつての同級生たちがお線香をあげながら昔話を始める。「路地裏の伝説」。そういえば昔「口裂け女」とか「学校の怪談」とかあったよな、という噺。なんで古典をヤンないんだ、やっちゃったモンはしょうがねえだろ、とか得意の自問自答をしながら始めた。会場は爆笑につぐ爆笑。

トリは三木男の「五貫裁き」。大岡越前守ものの一つ。人情ものを一生懸命にこなす。このパターンのほうが無難だ。ただくすぐりの部分でも笑いがない。最後まで硬さが取れない。独特の軽さも影を潜めたようだ。

演目

会場を出るとき着物を着た中年の女性と老年の女性が丁寧にお辞儀をしていた。三代目三木助夫人とその娘(=三木男の母親)だ。三木男が固かった原因はこれか。名人の未亡人とその娘の前で自由奔放にやれと言っても無理だろう。

昔の噺を現代の感覚で演るというのではなく、昔通りに演る。これでは現代の観客にウケない。落語会のサラブレッドもこれまでか。


(演目)

  • 雛鍔----------------桂三木男
  • お見立て----------桂三木男
  • 路地裏の伝説----柳家喬太郎
  • 仲入り
  • 五貫裁き----------桂三木男

(時・場所)

  • 2016年5月26日(木)
  • 19:00〜21:20
  • 内幸町ホール


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