映画「スティング」のメインテーマ「エンターテイナー」でおなじみのラグタイム。後にスイングとなる前のジャズの原型のリズム、ラグタイム。
今回の山中千尋のテーマはラグタイムであった。とはいってもラグタイムをそのまま演奏するのではなく、山中流にアレンジしてであるからそれを聴く我々はいつもの力強い山中千尋のピアノに出会うばかりであった。
めぐろパーシモンホールは東急東横線都立大学駅をでて数分、柿の木坂を上がったところにあった。駅前の繁華街の近くにそこだけ閑静な林に包まれた静かな場所に建つ近代的なホールであった。この近くに住んでいる人たちはいいホールがあってうらやましいと思った。
スピーディで力強い山中のピアノに対して、ベースはリズムを正確に刻んでバックアップし、ドラムスはどんなに速いピアノ演奏にも涼しい顔で付いて行く。絵に描いたようなピアノトリオだ。
コンサートの最後の曲は故郷の民謡「八木節」をテーマにした曲で特に素晴らしい出来だった。 アンコールはピアノを習わされていた小さい頃作ったという「So Long」という曲を演奏した。この曲だけフォービートジャズになっていて懐かしくなるような曲想だった。
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