CDで聴くぶんにははいいのだが実際に聴くモーツァルトはどうしても眠ってしまう。あまりにも刺激がない曲想のせいにしているのだが。
マーラー5番の出だし。トランペットソロが延々と続く。どこまで行っても乱れがない。今日の演奏は期待がもてると思った。
続くチェロの深い音。奈落の底へ落ちていくようだ。
マーラーの交響曲は楽器の数が多い。舞台の隅から隅まで演奏者が並ぶ。管楽器と打楽器の数と種類が多く音がきらびやかだ。
第1楽章と第2楽章はそれぞれの楽器の饗宴だ。それとマーラー独特のボヘミア民謡風の曲想。
第3楽章はジプシーの踊り風の曲で単独で聴いてもマーラーだなとわかる曲想である。
第4楽章はおめあての曲。ヴィスコンティの映画「ベニスに死す」に使われた有名な曲。指揮者の小林研一郎もたっぷりやるから思いっきり泣いてね、といわんばかりに指揮棒を振る。泣けた。
フィナーレはシンバルの連打で派手に締めくくった。1時間15分の長大な交響曲だ。最後に小林のMC、みんな疲労困憊なのでアンコールは無しにしてください。その言葉に拍手喝さいして今日のコンサートは終わった。
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