わさびの会は昨年6月27日に行ってからちょうど1年目だ。そういえば昨年の会も土砂降りの雨だった。今日も雨。梅雨の真っ最中だ。梅雨時になるとわさびが聴きたくなるのか。
今日の開口一番はねたおろしの「のめる」だ。お互いに禁じ句をつくり、その言葉を言うと罰金を取るというお遊びの噺。前座噺かな。こういう噺は得意そうで余裕をもってやっていた。快調な滑り出しだ。
今日の「三題噺」は「エリザベスカラー」「じれったい」「鬼ごっこ」だ。わさび得意の動物ものでなんなくこなしていた。ただ以前聴いた「あぶらぜみの先生」に比べると話に熱がないような気がした。「あぶら先生」の噺は聴いているこちらが熱くなるほど噺に熱がこもっていた。
トリは「青菜」。夏だから「千両みかん」か「お菊さん」かなと予想を立てていたが、「青菜」か。これも夏の噺だ。
植木屋のぱちぱちという鋏の音を聞きながら冷たくした「柳蔭」を飲んでいるご隠居さん。打ち水したばかりの葉っぱを通してくる風が心地よい。けだるい夏の午後だ。
早上がりしていっぱいごちそうになった植木屋。ご隠居さんから聞いた話が気にかかる。さて長屋に帰った植木屋は…。
昔はどこにでもあった夏の日のけだるさ感がただよう午後。こういう噺を無難にこなすわさびは真打が近いのではないか。
ちらしも番組表もわさびの手製。番組表の表紙は大根が醤油樽に入りきらないところ。今日の噺に関係のある絵だ。
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