女流落語家に無理を感じていた。女性が大家さんや大工の熊さんのセリフを言うとちょっとなー、というものを感じていた。
今日粋歌の新作落語を聴いて女性が落語を演るのもいいんじゃないかと思った。ほかの女流落語家もこのように演れば自然にできるんじゃないかと思った。
今日の3席の噺を男性落語家が演ったらどうなるんだろう。よっぽどうまい人が演らないと不自然になってしまうのではないか。
こんな凄い落語家(あえて女流を付けない)がいたんだ。実力があれば男も女もないんだと感じた一夜だった。
ゲストの林家彦いちは初めて聴く噺家だった。新作の噺家なのでなかなか聴く機会がなかった。円丈作の「遥かなるたぬきうどん」はよく考えればバカバカしい話だが、彦いちの熱演によって感動的な話に変化した。
トリの「二人の秘密」は老老介護の話で演りかたによっては重い噺になってしまうが、粋歌は「それだけではないでしょう」とこの噺を作った。
彼女独特の明るさが老老介護にロマンティックな色合いをもたせていた。終わった時会場の女性たちからホッとしたようなため息が漏れたような気がした。
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