喬太郎の「稲葉さんの大冒険」では笑った。涙が出るほど笑った。前後左右の観客たちも大笑いしていた。「なんてばかばかしい」とか「めちゃくちゃだなあ」とか言いながら。 謹厳実直なサラリーマンがある日の帰宅途中何気なく受け取ってしまったポケットティッシュのために松の大木を背負って帰ることになる顛末、なんでこうなるの…? という感じだ。
喬太郎ってどうしてこんなシュールな噺が考えられるんだろう。
前座の辰のこはこの噺はもっとおかしい噺だったはずだが、よくもこう平板につまらなく話せるもんだと思った。
ぴっかり☆は華があった。女性落語家が演るのはこのような子供が出てくる噺や、動物が出てくる噺が何となく合っている。
菊之丞はうまい。うまいが壊れたところがない。きっちりしている。感心するが感動は与えられない。。
喬太郎の二作目は古典落語の「錦木検校」。人情噺は得意でないと見えて演っている本人が退屈していた。
時々変なギャグを入れて笑いを取っていたがこれは本来大真面目に演って涙を取るところだろう。師匠のさん喬がやったら似合いそうな噺だ。
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