1〜2年に1度の高井先生のコンサートだ。
516席の小ホールはバリトン独唱を聴くのにふさわしい容量だ。
高井夫妻によるバリトンコンサートを聴くのは何回目か忘れたがいつもアットホームな雰囲気で包まれている。
今回はX'mas Concertと銘うったコンサートだが特にクリスマスにちなんだ曲はなかった。むしろ先生の得意なイタリアオペラの名曲を主体にしたプログラムだった。
ドニゼッティ、ヴェルディ、トスティという面々は先生がイタリア留学中にさんざん馴染んだ作曲家たちだろう。体調が必ずしも万全ではないように見受けられたが、歌いだすと水を得た魚のようだった。
前半はイタリアオペラから抜粋した曲、後半は日本の作曲家による名曲を歌った。前半は流暢なイタリア語で、後半はきれいな日本語で朗々と歌った。言葉を大切にする先生の面目躍如だ。
アンコールも4曲歌い、そのうち2曲はナポリ民謡の「サンタ・ルチア」とイタリア歌曲から「カタリ・カタリ」だった。
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