真打登場で客席50席は満員になった。
開口一番は橘家かな文の「たらちね」。有名な前座噺を可もなく不可もなく演じた。
お目当て橘家文左衛門は新作の「母さん助けて詐欺」。オレオレ詐欺の噺は本人がそれ風なので柄に合っていた。この噺ではもっと笑いが取れないと苦しい。
トリは「芝浜」。
立川志らくによると落語は談志以前と談志以後に分けられる。
「以前」は古典落語ができた時の価値判断で話す。「以後」は現代人の価値判断で話す。 文左衛門の「芝浜」は談志以前のものであった。 今日の客は文左衛門ひいきの客だったのでまくらのくすぐりにはすぐ笑い、「芝浜」のラストでは涙をぬぐっていた。
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