長いまくらの後、軽やかに「馬のす」にはいっていった。大した噺ではない。小噺の部類だろう。
林家あずみはたい平の会ではよく見る。たい平の一番弟子であり、唯一の弟子でもある。芸というほどの芸はないが華がある。たい平もそこを買っての弟子取りではないか。
「鰻の幇間」は三代目柳好のリズミカルな噺で有名である。たい平も持ち前の軽い芸で自分のものにしていた。
トリは「らくだ」。先日菊志んもやっていた噺である。今は「らくだ」がはやっているのか。
くずやの久六がらくだの兄貴分の無理難題に耐えに耐えたあげく逆ギレするという話は現代にも通用するのかもしれない。
たい平の兄貴分は菊志んのより迫力があった。
今日は小学生と思われる子供が何人か来ていた。笑点のたい平が目当てだったのだろう。TVで見るよりだいぶ真面目そうなおじさんが出ていたので驚いたのではないか。
初めの長いまくらで言ったことがアダとなり、「らくだ」終了後アンコール目当ての拍手が来てしまった。演ったのは「ひとり秩父の夜祭」。有名な秩父の夜祭を最初から最後まで擬音で表現するという珍しい芸だ。最後は逆立ちまで披露してサービスしてくれた。子供たちは大うけだったろう。
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