たまらなく幻想交響曲が聴きたくなり二日連続のクラシックの演奏会となってしまった。
二月に聴いた読売日本交響楽団の幻想交響曲は素晴らしかった。
もう一度あの体験をしたい。だが今回は葛飾フィルハーモニー管弦楽団? 初めて聞く名前だ。三月に聴いた札幌交響楽団のシベリウスは素晴らしかった。あれが札幌市がやっている楽団ならこちらは葛飾区がやっている楽団だろう。
ということで葛飾区のモーツァルトホールにやってきた。中規模のコンサートホールだ。正面にはモーツァルトの銅像が立っている。
指揮者は1986年生まれの女性。指揮者としてはかなり若い。パンフレットを見ると昨日聴いた高関健さんに師事したことがあるらしい。師匠と弟子の演奏会を連続で聴くことになる。
初めての楽団を初めての指揮者で聴くというのはドキドキする。
ベルリオーズの「ローマの謝肉祭」の音が鳴った瞬間、今までの不安感は解消した。実にしっかりした、そしてメリハリのある音の流れだった。
若い指揮者は堂々としていた。そして動作が柔らかく大きい。昨日の高関さんは固く小さくはなかったか?
ドビュッシーは繊細で可愛らしい曲だった。それでも張るべきところはしっかり張り、抑えるところはしっかり抑えてメリハリのあるきびきびした演奏だった。
お目当ての「幻想交響曲」は素晴らしかった。二月の読響の演奏に匹敵する出来だった。
第二楽章のワルツでは思わず体が動いてしまった。
また最終楽章での打楽器の連打の迫力はすごく、またしても体が動いてしまった。
クラシックの音楽会でもジャズの音楽会同様体を揺らしたり手拍子をしたりしてはいけないのだろうか?
クライマックスで遠くから聞こえる鐘の音はある時は天国から聞こえるかのようにやさしく、ある時は地獄から聞こえるかのように不吉に聞こえた。完全に指揮者と楽団の魔術にはまってしまった。 この激しさとやさしさに満ちた長い曲を指揮者は理性的に制御していた。
ちなみに昨日の新日フィルのコンサートの価格は4,500円。今日の葛飾フィルのコンサートは1,000円であった。価格と感動は比例しないという教訓を得ることができた。これは外国から来る有名な指揮者が出演するコンサートの価格が数万円することと併せて考えると貴重な教訓だと思う。
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