今年初めてのわさびだった。
会場は神保町の"らくごカフェ"。客席数最大50席というこじんまりした寄席だ。
落語を聴くには最小の寄席だ。これ以上少なくなると落語どころではなくなる。
ということで飛行機が怖いというまくらからネタおろしの「釜泥」へと入っていった。
滑稽噺はわさびに合っているせいで快調だ。釜に入った老人のしぐさがおかしい。
次は三題噺。「シルバーシート」「テーマソング」「天照大神」というお題をわさびがどう料理するか。
相変わらず思い込みと強引なこじつけで現代の風景をシュールに切り取って"わさびの世界"を作り上げた。
トリは「二十四孝」だ。これは快調とはいえなかった。
江戸弁の会話の調子のよさで押していく噺なのだがわさびの江戸弁は流暢とはいえなかった。
親孝行をうたいながらも実は親不孝者の話なので会話に妙味がないと聴くに堪えないものになってしまう。最後に「これに懲りずにまた来てくださいね」といったのはそれも含んでのことだろう。
ちなみに載せたパンフレットとポスターはいずれも日大芸術学部油絵科出身のわさびが描いたものである。
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