交響曲第2番は実にきらびやかな曲であった。
最初から最後まで曲の輝きを失わない。
特にフィナーレの曲想はワクワクするほど美しいかった。指揮者もそれまでのストイックな態度をかなぐり捨て腕を大きく広げ羽ばたいた。
観客は高い入場料を払って大雨の中を来たのはここを聴くためだと身を乗り出し、体をゆすっていた。
さっきの4番とはえらい違いだ。
シベリウスは2番の交響曲とフィンランディアで才能を使い果たしたのでは。
組曲「恋人」と4番では軽く睡眠をとった。
生のオーケストラ演奏、サントリーホールという贅沢な環境で日本一贅沢なうたた寝だった。
アンコールは「悲しきワルツ」。
この曲ってこんなに魅力的な曲だったのか。演奏者の体が温まって、アドレナリンが最高に出ているときに演奏された曲は実にスムーズで、3,000CCのエンジンを乗せたスポーツカーが制限速度で走るような余裕を感じた。
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