開口一番の林家十八は昼の部開始時間の10分前に登場。「金明竹」をサラッとやって引き下がった。
柳家小はぜの「道灌」10分、春風亭三朝の「真田小僧」15分、と寄席時間で噺は進んでいく。4番目に出た漫才のすず風にゃん子、金魚が面白かった。高齢者と後期高齢者に見える女性がバレリーナのような衣装を着て飛んだり跳ねたりする。果ては観客からもらったバナナを食べたりする。この10分間は大笑いの時間。
続く川柳つくしは新作落語の「女子会」。女子会でそれぞれ怖いものを出す。「まんじゅう怖い」の変形だ。15分。古今亭菊太楼は「あくび指南」。15分。
奇術のアサダ二世は話術だけでなく、奇術も上手い。紐に火をつけて、それが一瞬でスカーフになる奇術は目の前で見ていても不思議だった。10分。桃月庵白酒は「悋気の独楽」の前半部分だけ。見張りの権兵衛を魚屋の前で小遣いをやって追い返すところまで。15分。
こぶ平の林家正蔵は「新聞記事」。てんぷら屋の竹蔵が殺されたけど犯人はすぐ挙がった。と、てんぷらが揚がったとをかけて、15分。
立花家橘之助は浮世節で三味線の弾き語り。昔の師匠たちの出囃子を弾いて見せたが、古今亭志ん生、柳家小さんなど、今では聴けないメロディで懐かしかった。15分。古今亭志ん輔は「紙入れ」で15分。
前半のトリは柳家権太楼で代書屋の主人と客がトンチンカンなやり取りをする「代書屋」。15分。
仲入りの後は、林家つる子の新作で「少年野球」。野球音痴の課長に小中高と野球部だった部下が野球のルールを教えるのに四苦八苦する。10分。
続いては漫才のロケット団。これは笑った。15分。古今亭文菊は柳家子はぜにそっくりだ。小はぜがざっくばらんなのに対してこちらはやけに気取っている。出し物は「親子酒」で15分。
橘家文蔵は「千早振る」。最後の「水くぐるとは」の「とは」だけやり残して、トリのこみち師匠に投げかけて舞台を降りた。
トリ前の太神楽-----翁家社中に続いていよいよ本日のトリ、柳亭こみち。大向こうから「まってました」の声がかかった途端、舞台から引っ込んでしまった。どうしたんだろう。
再び登場し、頭を下げた後、センスを忘れてきた、と言った。寄席のトリというのは大変なものらしい。昨日の初日はオチを言う前にセリフを噛んでしまったと言った。気を取り直して噺は「天狗裁き」。これはとちることなく最後まで無事に務めた。初めてのトリ2日目。なんとか無事にやり遂げた。30分。
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