プレコンサートはプロの歌手によるクリスマスにちなんだ曲。ひとり一人が1,000人の会場に響き渡るほどの力量を持つ人たちだけにソロ又はデュエットでも十分迫力がある。
オペラ「魔笛」より「パパパ」はデュエットによるユーモアたっぷりの曲。モーツァルトに古いとか新しいとかいう形容詞は似合わない。モーツァルトは唯一無二、独自の存在だ。
アンコールは観客も交えての「聖し、この夜」。英語と日本語による合唱だったが、観客の中にも高らかに英語と日本語で歌っている人がいた。
第二部は足立区歌「わがまち足立」のあと、ベートーヴェンの交響曲第九番の第4楽章「歓喜の歌」。コントラバスによる出だしのメロディを聴くといつもワクワクする。今回は最小限のオーケストラで、各パートの楽器が一つか二つしかない。器楽奏者の応募者が少なかったのだろう。
ただ、コントラバス1名、チェロ1名、ビオラ1名でも十分オーケストラになっていた。むしろオーケストラの骨組みがわかって興味深い演奏であった。また各パート1名ずつだと張り切らざるを得ない。コントラバス奏者は孤軍奮闘という感じで演奏していた。 応募による合唱のメンバーもそれぞれ必死に歌っているのが表情から見てとれた。
結果、感動的なコンサートになった。舞台と観客が完全に繋がっていた。感動的な舞台は上手い下手とか、テクニックがどうとかいうものではない。会場全員の心がつながるかどうかが問題なのだ。
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