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第439回巣ごもり寄席

入り口の番組表を見ると予定の出演者と違っている。桂優々と立川かしめの代わりに古今亭始と橘家文吾となっている。三遊亭ぐんまのみ予定通りとなっていてひと安心した。今日のお目当てはぐんまだからだ。

そのぐんまが開口一番であった。演目は「鰍沢」、大ネタだ。

吹雪の山中で道に迷った旅人が一軒家を見つける。中には女房がひとり留守番をしていた。女房はかつて吉原で花魁をしていた。囲炉裏の火に当たりながら旅人と元花魁がする含みのあるやりとりにおもわず身を乗り出して聞き入ってしまった。玉子酒に仕組まれた眠り薬で旅人が眠りこけたところへ、その家の主人が雪を踏み締める足音がみしり、みしりと戸口に近づいてくる・・・。という息を呑むようなシーンで時間切れとなってしまった。残念。

古今亭始は初めて聞く噺家さんだ。演題は「鈴ヶ森」。お馴染みの噺だが、始は間抜けな泥棒をオーバーアクションで見事に演じ切った。これだけオーバーアクションで演じられると嫌味を通り越して、むしろ爽快だ。二つ目になって9年目のベテランである。

第439回巣ごもり寄席

トリは橘家文吾、二つ目になって5年目の中堅。演目は「味噌蔵」。

ケチな旦那の留守に、奉公人たちが店の金を誤魔化して宴会をする。宴会が盛り上がったところへ、今晩は帰ってこないはずの旦那が帰ってくる。さて、・・・。

盛り上がった宴会からジェットコースターのように真っ逆さまに落ちていくシーンをどうまとめるか。かな文といった前座時代に数回、文吾になってから1、2回聴いたが、文吾は人物の描写に格段の進歩を遂げていた。

 

(演目)
   ・鰍沢----- 三遊亭ぐんま
   ・鈴ヶ森----- 古今亭 始
   ・味噌蔵----- 橘家文吾

                   
(時・場所)
 ・2023年11月22日(水)
 ・13:00〜14:35
 ・スタジオフォー



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