スメタナの「我が祖国」を全曲通して聴く機会は滅多にない。有名な「第2曲 モルダウ」をラジオで単独で聴くくらいである。
全曲を通して聴くことでスメタナがいかに故郷のボヘミア(現在のチェコの一部)を愛していたかがわかる。高い城、モルダウ川、シャールカ谷、森と草原、ターボル地区、ブラニーク山を歌うことでボヘミアの美しさを表現している。
全曲通して聴いても、やはり「モルダウ」のメロディは素晴らしい。曲を聴いているだけで、そこに大河がゆうゆうと流れているのがわかる。
ゆうゆうと流れる川を表現した「モルダウ」と対照的に「シャールカ」「ボヘミアの森と草原より」「ターボル」が激しい曲だったのは意外だった。
ボヘミアはドイツ、チェコ、ポーランド、オーストリアに囲まれ、周囲と戦っていないと自国のアイデンティティが保持できない地域であった。
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