足立区の梅田地域学習センターでは月に一度梅田寄席を開催している。足立区ゆかりの落語家さんたちが毎月2名ずつ出演する。今月の月番は林家正蔵門下のまめ平と林家正雀門下の彦三である。
まめ平は今月21日に真打昇進というめでたい年である。今回は真打昇進間際の実力者と二つ目になって3年目の新進落語家の出演である。
はじめに登場したのは林家まめ平で「転失気」。和尚さんが「転失気」という言葉が分からずに知ったかぶりをして恥をかく話である。偉くなればなるほど知ったかぶりをすると、とんでもないことになる。
林家彦三は「猫の皿」。高価な皿をごまかして安く買い上げてやろうとするが、その魂胆は見透かされていて、恥をかくという話である。
彦三は芸人らしくない口調で淡々と語る。それがひとつの味になればいつか化けるのではないかと思った。
仲入り前の2題は期せずしてズルをしようとして恥をかく話となった。現代でも通用する話であり、むしろ昔より現代の方がそういう風潮が強くなっているように思う。
トリは「浜野矩随」。彫刻の名人の若い頃の出世話である。
「名人に二代は無いと言われたが、浜野の二代は名人の称号を欲しいままにしました」という名セリフで終わる講談調の話である。立板に水の口調で語らなければならない話だが、まめ平はいいところで言葉を飲んでしまう。癖であれば直さないと観客は安心して聞いていられない。
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