お目当てのイートインのパン屋が閉まっていたので、巣鴨駅近くのコメダ珈琲店で昼食をとった。カツパンが大きすぎて全部食べることができなかった。コーヒーは量が多いがそれなりの値段。
いつも通り30分前に会場に着いた。扉を開けて驚いた。席の数が少ない。数えてみたら前から5、5、3の13脚しかない。こみち姉さんだから50席はあると思っていたが。いわゆる夏枯れか。
登場したこみち姉さんはいつも通り元気いっぱい。チラシも作らず、宣伝も間に合わなかったから1人か2人だと思っていたが、こんなにたくさん来てくれて嬉しい、と喜んでいた。客が少ないと来てくれた客にイヤミを言う見当違いな師匠がいる世界でこういう前向きな芸人さんをみるとホッとする。
噺は「青菜」。夏真っ盛りの噺である。暑くないとオチが効いてこない。夏の落語会ではよくかかる噺ではあるが、噺家さんのキャラによって可笑しさが微妙に違う。熱演型のこみち姉さんにはぴったりの話である。
次は「夢の酒」。息子の見た夢に親父が入っていくというシュールな噺である。息子の嫁が亭主の夢に出てきた御新造さんに嫉妬するという、シュールがダブルになっているところがおもしろい。江戸時代の落語作家には現代のSF作家のようなひとがいたらしい。落語には「頭が池」のような奇妙な噺もある
トリは「くしゃみ講釈」。これは初めて聞く噺であった。
一龍斎貞山の弟子・一龍斎貞能という講釈師に恋路を邪魔された八五郎が仕返しをするという噺である。
八五郎が乾物屋に胡椒を買いに行くくだりと講釈師の前で火鉢に唐辛子をくべて講釈の邪魔をするというくだりのふたつのヤマがある。そのどちらも可笑しい。こみち姉さんは大熱演であった。
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