いつ降ってくるかわからないような曇り空。なかのZERO大ホールは数年ぶりである。
ワーグナーの「タンホイザー序曲」は勢いのつく曲で皮切りにふさわしい。ところが最初の出だしでとちってしまった。ファンファーレのような管楽器の見せ場である。なんとも頼りない出だしから始まった。途中から持ち直したが最初が肝心である。
リヒャルト・シュトラウスの「オーボエ協奏曲」は初めて聴く曲だ。非常に興味があったがモーツァルトのそれに比べたらなんとも地味な曲である。とっかかりがない感じだ。リヒャルト・シュトラウスというとメリハリのある音楽のイメージだが、この曲は違った。
オーボエという楽器はクラリネットに似ているが音はクラリネットよりは地味である。どうも期待外れだったようだ。
今日聴きにきた目的の曲はチャイコフスキーの「交響曲第4番」である。
期待に反して最初の出だしで管楽器がとちってしまった。ファンファーレのような見せ場で、これから始まるよー、と言わんばかりの最高の場面。へなへなへなっとなってしまった。今日の管楽器奏者はハズレだったようだ。
それでも第3楽章の弦楽器を爪弾くところから、フィナーレの打楽器の連打のところまでの勢いの良さはチャイコフスキーのこの曲ならではのものだ。スッとした気分で帰ることができた。
アンコールはワーグナーの歌劇「ローエングリン」より「エルザの大聖堂への行進」であった。
会場から中野駅までの道筋、雨がポツポツ降っていた。
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