米国空軍太平洋音楽隊によるビッグバンド・ジャズの演奏会である。
全員空軍の制服で演奏する。ただし中身はミュージシャンである。この音楽隊に入隊するには厳しい審査を合格しなければならない。音楽大学出身か、プロのミュージシャンでないと受からないらしい。
テナー・サキソフォンのイアン・オーバン軍曹は以前グレン・ミラー楽団にいたらしい。第2部で演奏された「Taiyo no Monogatari」は彼のオリジナルで、CDに録音する予定だという。
ボーカルのアシュリー・ヒューセビー上級空兵が歌った「フライ・ミー・トー・ザ・ムーン」や「オン・ザ・サニーサイド・オブ・ザ・ストリート」や「ブルー・スカイズ」を聴けば、このひとはプロの歌手だということは誰でもわかる。
第1部は「フライ・ミー・トー・ザ・ムーン」から始まり、「茶色の小瓶」「オン・ザ・サニーサイド・オブ・ザ・ストリート」とお馴染みのスタンダード・ナンバーが演奏された。
かつてグレン・ミラー少佐がいた米軍の音楽隊はその伝統を継いで、きらびやかなグレン・ミラー・サウンドを数多く演奏する。ビッグバンドと言えばグレン・ミラーかベニー・グッドマンが安心して聴ける。
後半も「ペンシルヴァニア6-5000」や「真珠の首飾り」などグレン・ミラー・サウンドが続く。
変わった曲ではテナー・サキソフォンのイアン・オーバン軍曹が作曲した曲「太陽の物語」やマイルス・デイヴィスの「バイ・バイ・ブラックバード」が演奏された。「太陽の物語」はモダンな演奏で途中フリー・ジャズのようになる。以前グレン・ミラー楽団に所属していたイアン・オーバン軍曹の意欲的な演奏だ。また、エラ・フィッツジェラルドのスキャット奏法で有名な「ブルー・スカイズ」をアシュリー・ヒューセビー上級空兵が軽快に歌った。
アンコール曲ははグレン・ミラー楽団のテーマ曲「イン・ザ・ムード」。満員の観客は大満足であった。 ちなみに舞台写真および動画の撮影は・・・、ダメに決まってるよな、と思っていたら、どんどんやってください、とのことであった。左上の画像はアンコールの時に撮ったもの。
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