桂竹紋は2014年12月、桂竹丸に入門し、2019年2月二ツ目昇進して3年目の新鋭である。ただ入門が31才の時だったので、年齢は39才。女房の命令で貰い物のお礼に医者の家に行き、口上を述べるが・・・。
艶笑落語に属する噺を気づくひとは気づくだろうと、さらりと語ってトップバッターの責任を果たした。
足立区出身の林家たけ平は軽めの噺「宗論」。その分まくらを長くして笑いをとった。手を上げさせたり、笑いを要求したりの客いじりがなければ良い出来だった。
入船亭扇辰は女房が昼寝している亭主を起こすシーンから始めた。つい先日聴いた「天狗裁き」かな、と思ったら、亭主が自分が見ていた夢を話し始めて、あれ、違うのか、と思った。落語には夢の話がたくさんある。亭主が見た夢の話を巡って女房といさかいをしている最中、亭主の父親が入ってくる。女房の頼みで息子が見た夢の中に父親が入って行き・・・。奇想天外な噺に扇辰師匠のオーバーアクションがぴったりハマって、本日の観客全員夢の中に引きずり込まれた。
三遊亭兼好は軽妙なまくらのあと、子供と父親の微笑ましい会話でつないでいく噺「桃太郎」に入っていく。軽妙なまくらに軽妙な「桃太郎」。兼好ワールド満開である。
軽妙といえば3月に「猫八」襲名が決まっている江戸家子猫のものまねも独特の話術とともに安心して観ていられる。
トリは柳家権太楼師匠で「火焔太鼓」。お正月のトリにふさわしい噺である。がさつであるが仲の良い夫婦の会話が迫力満点であった。
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