芥川也寸志が司会をするTV番組音楽を観たり、エッセイを読んだりすることはあっても、芥川也寸志の音楽を聴く機会は滅多にない。今年の夏、2曲聴く機会があった。今日また聴く機会を持ちこういうことは続いて起こるものだと思った。
「交響三章」は芥川がNHKの大河ドラマのテーマ曲を作っていた頃を思い出した。重々しいテーマ曲に続いて俳優たちの名前が流れ、最後に芥川也寸志という筆文字が大きく出るところだ。
ブルックナーの「交響曲第7番 ホ長調」は第1楽章、第2楽章とうねるように音が出てくる。第3楽章では一変して管楽器とティンパニが活躍し、派手になってくる。から始まった。第4楽章は終演まで引き続き派手な曲想が続く。
最近までブルックナーの音楽は苦手だった。ブルックナーの交響曲は自然を音で表現したものだ、という記事をどこかで読み、それからブルックナーが苦にならなくなった。
太陽や風や海や山にいる自分を想像しながら、ブルックナーの音に身をまかせていると頭の中の凝りがほぐれていくような感覚になる。対立してはいけない。その中に漂えば良いのだ。
アンコールがあった。指揮者が肉声で「山田耕筰の・・・」と紹介したが、なんの曲かは聞きとれなかった。日本的なところが全然ない西洋の交響曲のような曲だった。「赤とんぼ」や「砂山」や「待ちぼうけ」の作曲家をイメージしていたが、意外だった。
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