第384回巣ごもり寄席  一覧へ


看板

春風亭かけ橋は法政大学理工学部卒業後、2012年5月、柳家三三に入門したが、なぜか2018年4月に破門となり、落語協会を退会した。同年7月に落語芸術協会の八代目春風亭柳橋に入門し直し、2022年7月二つ目に昇進した。2度目の二つ目である。

「お七の火の用心」という噺は初めて聴いた。先代の春風亭柳橋の持ちネタだが、あまり高座にかけられていた噺ではなかったという。ブラックジョークの連続技のような噺で、以前は敬遠されていたらしい。ブラックな噺は嫌いではない。面白かった。かけ橋は柳家小かじ時代よりだいぶ上手くなったように思う。

立川こはるは今一番乗っている落語家である。冒頭、57年会という仲の良い仲間たちと北海道の各地を落語会を開催しながら旅をした話をした。畳み掛けるような勢いの良いまくらに観客一同、一気に引き込まれた。

演目

「権助提灯」は台風の夜、本妻宅とお妾さん宅の間を行ったり来たりする旦那と飯炊きの権助の悲劇である。本妻とお妾さんより、旦那と権助の方がイキイキと表現されていた。こはるの面目躍如である。彼女は女流落語家ではない。普通の落語家である。

雷門音助は初めて聴く落語家である。

3人の町人とひとりの武士が番頭を間にはさんでやり合う。徐々に緊張感を増していくやりとりを、音助は飄々と演じた。

かけ橋と音助は34才。両者大学の落研出身である。かけ橋は今年、音助は2016年に二つ目になった。ただ、かけ橋は柳家時代に2016年に二つ目になっているから、同期と言っていい。今後良いライバル関係になるだろう。

出演者

春風亭かけ橋 Twitterより

 

(演目)
   ・お七の火の用心----- 春風亭かけ橋
   ・権助提灯----- 立川こはる
   ・宿屋の仇討----- 雷門音助

                   
(時・場所)
 ・2022年10月12日(水)
 ・13:00〜14:30
 ・スタジオフォー


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