第378回巣ごもり寄席  一覧へ


看板

出演予定の笑福亭希光が休演のため、寸志と辰乃助のふたり会になった。

時間になるとふたりが出てきてトーク。 ここで客席からアンケートをとった。軽い噺2席ずつ、4席にするか、長講2席のどちらにするかと。

4対8で長講2席になった。ふたりは9割の確率で軽めの噺2席ずつと予想していたらしく、相談のため、しばらく楽屋に戻った。

改めて入舟辰乃助が登場し、演り始めたのは筆者は初めて聴く噺であった。演題は「阿武松(おうのまつ)」。

第6代横綱、阿武松 緑之助(おうのまつ みどりのすけ)の出世噺である。筆者は出世噺には弱い。いたるところで涙腺が刺激される。

現在、阿武松という名称は元前頭・大道が年寄・13代阿武松を襲名している。

演目

立川寸志は「妾馬(めかうま)」。この噺も出世物語である。

前の噺とは違い、妹が殿様のお妾さんになり、彼女が世継ぎを産んだために出世するという、棚ぼたの出世物語である。

妾になった妹の出産を何のこだわりもなく受け入れ、涙を流して喜ぶ兄。妹のおかげで殿様に認められ、侍に出世して喜ぶ兄。

この能天気な兄貴の八五郎に「男はつらいよ」の空気が読めない兄貴・車寅次郎がかぶって、長講40分の熱演ではあったが、噺に入り込めなかった。

寸志は聴くたびに上手くなっていて、江戸っ子の威勢の良い啖呵にはスカッとするものを感じた。


 

(演目)
   ・トーク----- 寸志 & 辰乃助
   ・阿武松(おうのまつ)----- 入舟辰乃助
   ・妾馬(めかうま)----- 立川寸志

                   
(時・場所)
 ・2022年8月31日(水)
 ・13:00〜14:20
 ・スタジオフォー


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