リムスキー=コルサコフの「アンタール」はアラビア風のエキゾチックな曲であった。この作曲家は「シエラザード」以外は知らなかった。この曲も中東のトルコから中央アジアのカザフスタンにかけての独特のメロデイが出てくる。西洋音楽の音階にはない民族舞踊的な曲想である。胸の奥をくすぐられるような曲想だ。どこかで民族的な繋がりがあるせいなのか。確かにシルクロードの端から端にかろうじて繋がっているのだが。
チャイコフスキーの「冬の日の幻想」はどの楽章を聴いても良い。隅から隅まで神経が行き届いている。それぞれの楽器がそれぞれの主張をしながらも、全体としては同じ方向を目指している。
今回は第2楽章のフルートとオーボエのセッションのおもしろさに気がついた。こんなところでジャズのアドリブのようなやりとりをしていたのか。これには今まで気がつかなかった。
第3楽章ではホルンが全体のメロディと無関係のメロディを呟いている。ぶつぶつ、ぶつぶつ、ずっと呟いている。これはチャイコフスキーの遊びなのか。
「冬の日の幻想」の第2楽章あたりから指揮者の米津俊広氏と管弦楽団のリズムが合い出してきたのを感じた。楽団は米津氏の振った通りに音を出し、米津氏は音に合わせて気持ちよさそうにステップを踏んでいた。
自宅でスピーカーから出る音楽を聴くと、全体はつかめても、細部まではわからない。特にクラシック音楽はコンサートホールで聴かなければそのおもしろさがわからない。
アウローラ管弦楽団はアマチュアのオーケストラである。毎回ロシア音楽をメインにプログラムを組んでいる。ロシア音楽、特にチャイコフスキーは大好きなので、これからも応援するつもりである。
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