舞台にオーケストラ+200人の合唱団が並ぶと迫力がある。
まずバッハのG線上のアリアとトッカータとフーガをパイプオルガンで演奏した。クラシック系の演奏会場には必ずあるパイプオルガンだが実際に音を聞くことはめったに無い。普通のオルガンの音をアンプとスピーカーで増幅したような深みが無い音だと思った。これを鳴らすためには裏で巨大な送風機(ブロワー)を回しているらしい。そちらのほうを見てみたいと思った。
第九は変わった曲だと思った。全体的にぎこちなくて合唱のパーツに行くために他の部分はとってつけたような感じだ。当初は合唱のパーツだけを作ってコラールとして発表するつもりだったのをチョコチョコいじっているうちに交響曲にまでなってしまったのではないか。メロディらしいのは合唱の部分だけであとは不協和音の連続、管楽器とヴァイオリンを一音のみ短く鳴らすというのを繰り返している。マイルス・デイビスの”ジャック・ジョンソン”か”ビッチェズ・ブリュー”を連想した。ベートーベンがジャズを聴いたら影響されたに違いない。
独唱の中のバリトンの人。自分が歌っていないときはうつむいて耳をふさいでいた。他の独唱の人たちが前を向いてきちんと座っているのでそれがすごく目立った。指揮者はなんと思っていたんだろう。2,000人の観客に対して舞台に立つ者のとる態度ではないと思った。
|