第5回目の足立区民による「第九 歓喜の歌」のコンサートである。
前半は若いプロの歌手たちによる親しみやすい曲のメロディ。お馴染み、ベルディの「乾杯の歌」、モーツァルトの「魔笛」より「パパパ」、マイ・フェア・レディより「踊り明かそう」などなど。
クラシックの歌手たちによるPAなしの肉声の歌は耳に心地よい。心に直に届く。
休憩の後は今日のために3ヶ月間練習してきた足立区民による「交響曲第9番 第4楽章 歓喜の歌」。
今年はこの9月ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝したばかりの指揮者、沖澤のどかさんを目当てにしてきた観客で満席だった。
「歓喜の歌」の前に足立区歌「わがまち足立」を演奏した。この演奏が素晴らしかった。普通だと聞き流してしまう歌がまるでクラシックの名曲のように聞こえた。感動してしまったほどだ。
なんなんだろう? 指揮者によってこれほどまでに演奏に力が加わるのか。
「歓喜の歌」はコントラバスによる主題の提示が始まった瞬間から音が違った。格調がプラスされた。区民の集まりにもかかわらず、合唱の力強さはまるでプロの楽団のようだった。
同じピアノが演奏者によって違う音を発生するのを耳にしている。同じことが指揮者と演奏者の関係にも当てはまることを知った。
この瞬間から世界に羽ばたこうとしている沖澤のどかさんを応援していきたい。
|