ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番 ニ短調」は堂々たる演奏だった。
ピアノの岡田将氏は終始冷静さを失わず、それでいて情熱的にラフマニノフを演奏した。
アンコールの「愛の夢 第3番」はお馴染みの曲だがあくまで優しく穏やかに演奏し、過熱した観客の熱を覚ましてくれた。
「バレエ音楽 春の祭典」は不協和音が連続し、管楽器が時には優しく、時にはヒステリックに響き渡る。ラフマニノフとは対照的な曲である。
今日は対照的な曲のうちどちらかを目当てにしてきた観客たちで満席だった。
筆者は強烈な打楽器と不協和音が連続する後者がお目当てだった。期待通りの素晴らしい演奏であった。
アンコールの「レズギンカ」は全ての楽器が躍りまくるような楽しい曲であった。
今日の音楽会の曲目はいずれも家庭のスピーカーで聴くことは不可能と思えるほどダイナミックレンジの大きい曲であった。音楽の現場に足を運ばなければ味わえることのできない体験をすることができた。
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