柳家喬太郎出演とあって3階まで満席。
前座の金原亭駒介は与太郎ものの「からぬけ」を5分で終えて早々に引っ込んだ。声が大きくて口跡明快、将来が楽しみだ。
金原亭小駒は古今亭志ん生のひ孫、10代目金原亭馬生の孫、古今亭志ん朝の甥というサラブレッド。噺は前座噺の「子ほめ」。話す勢いと口跡がなんとなく志ん朝に似ている。血筋は争えない。
仲入り前のトリは柳家喬太郎で「花筏」。まくらのちょっとしたくすぐりから爆笑に次ぐ爆笑。本題の花筏は相撲取りの大関の名前である。体調を崩した花筏の身代わりに銚子に巡業に出た提灯屋の噺。爆笑に次ぐ爆笑。観客の期待に背かないところはさすが喬太郎である。
仲入り後は翁家和助の太神楽。昭和52年生まれの42才。動作がきびきびして若々しい。見ていて怖いような技を軽々と決めてしまう。口調もハキハキしていて聴きやすかった。
トリは11代目金原亭馬生で「芝浜」。この季節に芝浜をやるとは思わなかった。芝浜は年の暮れの噺である。落語の演目は歳時記みたいなものなので本来ならやらないものだろう。本人なりに決めていたのだろう。口調は平板で「亭主の改心」か「女房の健気」か、どちらに重点を置いているのかわからなかった。
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