今回の足立シティオーケストラ定期演奏会はいつもと違う会場で行われた。マーラーの交響曲は編成が大きいため足立区のギャラクシティ・大ホールでは収まらないため、墨田区のすみだトリフォニーホール・大ホールで行われた。
今日のプログラムはシューベルトの「未完成」とマーラーの「巨人」という人気メニューのためか会場は満席であった。
シューベルトの「未完成」交響曲は叙情的な曲である。特に第1楽章は聴いていて気持ちが良い。
マーラーの「巨人」はマーラーの特徴が一番際立った交響曲だと思う。全楽章を通して哀愁的なスラブ風のメロディが流れる。踊っているようでもあり、歌っているようでもあり、ため息をついているようでもあり、嘆いているようでもある。
聴く者の心の状態によってどのようにも聴き取れる。
指揮者の汐澤安彦氏はこのオーケストラの特徴を知り尽くしており、各団員に自由に歌わせている。
CDをスピーカーで聴いたのでは知ることのできないひとつひとつの楽器が歌い上げながら統一がとれているというオーケストラの醍醐味を味わうことができた。
アンコール曲はエルガーのエニグマ変奏曲より「ニムロッド」。観客の熱気を冷ますようにゆったりとした重厚な曲で締めくくった。
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