取手市社会福祉会館・小ホールは定員90名ほどの会場である。観客は6割程度だが皆熱心な根木ファンのようだ。
コンサートは「キラキラ星」から始まった。いつも通り軽快で力強いピアノのタッチだ。
「In the forest of mangrove」は根木さんが奄美でカヌーのインストラクターのバイトをしていた時の思い出に作った曲。カニの歩きをテーマにしている。
「Revolution」は自分にとって今日の1番の曲である。原曲はショパンの練習曲ハ短調作品10-12「革命のエチュード」。この激しい曲をよくジャズに編曲できたと思う。しかも自然に体が動いてしまうほどスインギーな曲として。
次の「Moanin'」はボビー・ティモンズが作曲し、アート・ブレイキーが1958年に発表したアルバムに入っている曲。モダンジャズの名作中の名作である。これに歌詞をつけた楽曲をマックギルバートが熱唱した。
前半最後は「Crose to you」。バート・バカラックが作曲し、ディオンヌ・ワーウィックが歌って有名になった曲である。その後カーペンターズがカバーしている。マックギルバートのハイ・ノートによる歌唱がいい。
休憩後は映画「シェルブールの雨傘」の主題歌「I'll waitf of you」。「カトリーヌ・ドヌーヴ扮する主人公がガソリンスタンドで給油したのち夜の道を去って行くシーンにこの曲がかぶるんです」という根木さんの説明のあとピアノトリオで演奏した。
次の「Tot Zeins」はオランダ語で「こんにちは」の意味。根木さんはオランダのピアニスト、カレル・ボエリー氏に師事していて毎年オランダへ行き、指導を受けているとのこと。
「Ave Maria」はマックギルバートとのデュエット。カッチーニ作曲のアベ・マリアは歌詞は「アベ・マリア」のみ。強弱、音程の差をつけて何回も歌う。歌手にとっては大変な曲だと思う。マックギルバートの高音の伸びは素晴らしい。
「Summertime」はマックギルバートの熱唱。いつもこの曲を歌うときは力が入る。マックギルバートの愛唱歌ではなかろうか。「Piu-Piu-」は軽めの曲。観客の手拍子も乗ってくる。
アンコールはスティービー・ワンダーの「Is't she lovely」。軽快な曲だ。観客は根木マリサの力強いピアノのタッチ、そしてマック・ギルバートの熱唱に大満足。 終演後は会場の出入り口でメンバーといつまでも語り合っていた。
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