ソプラノ 雨谷麻世のコンサート。東日本大震災復興支援、環境支チャリティ・コンサートで入場料は各団体に寄付される。
後援は環境省、林野庁、朝日新聞者、毎日新聞社、森林文化協会という冠コンサートは観客も物々しい顔ぶれであった。
観客の8割は高級なスーツにネクタイの年配の紳士達であった。コンサートの始まる前に数人ずつの塊になってあちらこちらで名刺の交換をしている。賀詞交換会のようだ。
定刻になるとソプラノ歌手の雨谷麻世が登場し、歌い始めたのは日本のスタンダードナンバーであった。
「からたちの花」「すみれの花咲く頃」「無縁坂」…。
ソプラノ歌手が歌うそれらの曲は透明で感情がなく無性格に聴こえる。
休憩後も「ある愛の詩」「涙そうそう」「川の流れのように」と続く。
最後に近づいた頃雰囲気が変わった。プッチーニのトーランドットより「誰も寝てはならぬ」。 オペラを歌うときは全身で歌を表現する。拍手も今までと違う。ブラボーの掛け声も聞こえた。
アンコールは準備していたのとは違う曲プッチーニのマダム・バタフライより「ある晴れた日に」。今までにも増して感情のこもった歌声に観客は大歓声をあげた。
雨谷麻世のオペラのアリアを集めたコンサートに行きたいと思った。
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