コンサート・ホールでボサノヴァだけを1時間半演奏するコンサートは珍しい。定員80名の会場に半分入った観客は皆ボサノヴァ・ファンであろう。
Betty 大竹のヴォーカルで始まったコンサートは熱気に包まれてとは言えないが皆静かに体を揺らしながら聴いていた。
第一部に演奏された9曲の内「また君に恋してる」以外はすべてボサノヴァのスタンダードナンバーであった。
第二部でも9曲演奏されたが「黄昏のビギン」以外はボサノヴァの曲であった。
「また君に恋してる」にしても「黄昏のビギン」にしてもBetty 大竹が歌うとボサノヴァの曲に聴こえてしまう。もともとボサノヴァというジャンルは包容力の大きい形式なのである。
フルートはボサノヴァを演奏するには無くてはならない楽器である。鈴木康恵のフルート演奏はスインギーでジャズの演奏かと思えるくらいアドリブが効いていてこのグルーブの核となっていた。
クラウジオ 石田は日本滞在20数年の日系ブラジル人である。このひとのパーカッションのリズムはあくまでも軽く、ブラジル人の心を我々に伝えていた。
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