今日の神保町は古本まつりの最終日。歩道に並んだ露天の古本を眺めながらブックカフェ二十世紀へ。
ここは1階はミステリー専門の古書店、2階はカフェになっている。今日はカフェのスペースの半分を寄席風にして座席は舞台に向けてある。
毎月定例になっている立川寸志のミニ独演会である。1時間で2席、ドリンク付きで1,500円。今日は特別にバナナケーキが付いている。
観客はほとんど常連のようで始まるまでの時間はそれぞれ思い思いに過ごしている。
お囃子のテープが流れて小さなスペースに囲われた臨時の楽屋から寸志さんが出てくる。1週間前に終わった大相撲の話題から相撲の噺「大安売り」に入っていく。
相撲好きの町人が歩いていた小柄な相撲取りに声を掛ける。
「大阪場所の成績はどうだった? 」
そこから始まる相撲取りと町人のやり取りに大爆笑。初めて聴いた噺だが、これは面白かった。
狭い楽屋に引き下がることなく、次の噺に進む。
おなじみ「片棒」。ケチな旦那が息子三人を次々に呼び、自分が死んだらどういう葬式をあげるかを聞く。息子たちは三者三様自分の考えた最高の葬式を語る。
二番目の息子は葬式を祭りのような一大イベントに企画する。クライマックスでは笛や太鼓のお囃子で親父をかたどった人形を踊らせる。
このシーンでは20数人の観客の大拍手が鳴り響き、寸志さんが後を続けられなくて困ってしまった。落語の途中のブラボーで演者が立ち往生するのは珍しい。
最近の立川寸志はノっている。旬の落語家である。
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