会場が竹の塚地域学習センター・4階ホールということで会議室ででもやるのかな、と思っていた。行ってみたら定員300名ほどの立派なホールであった。
はじめはまばらだった席は開演が近づくにつれて埋まって行き最終的には約7割の席が埋まっていた。年齢層は比較的高め。隣のおばさんは「昔ソニー・ロリンズのコンサートに中野サンプラザに行った」とか話していた。あなどれない。
時間になり出てきたのはリズムセクションの3人。ピアノ、ベース、ドラムスだ。曲は「シェルブールの雨傘」。有名な映画音楽を無難に弾いておとなしく始めるのかな、と思っていたら、テーマを弾いた後はガンガンにアドリブを弾き始めた。1曲目から攻めるようだ。
2曲目の「Sing Sing Sing」からボーカルのマック・ギルバートが登場した。男性ジャズボーカルには珍しくきれいなテノールだ。リズムセクションとボーカルが一体となってスイングしていた。
曲はピアニスト根木マリサ作曲の「Dear My Best Friend」へ進む。彼女の思い出の友達に送る曲のようだ。
前半最後の曲はガーシュインの名曲「Summertime」。根木マリサの編曲でボーカルが生き生きと歌っていた。
後半始めは根木マリサ作曲の「When You Cross The River」。彼女がオランダに留学して初めてベテランのミュージシャンたちと共演した時、思い切って気合いを入れて「えい」っと飛び込んで行った時の気持ちを曲にするとこうなるらしい。すごくスイングするジャズに仕上がっていた。
「愛しのエリー」はレイ・チャールズが歌った時の編曲をもとにしてマック・ギルバートが熱唱した。
曲は「Piu Piu」「Isn't She Lovely」と進み、進むにつれて観客の熱も上がる。
アンコールの拍手は今までになく激しく鳴った。
アンコールの曲はスタンダードナンバーの「All Of Me」。ピアノとボーカルの掛け合いはますます乗ってきて最高に達したところで大団円となった。
ジャズの演奏者が出てきにくくなった最近、このようなスインギーなグループが出てきたことは喜ばしいことである。
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