すがも巣ごもり寄席 OB会。
お正月なので地蔵通り商店街は混んでいるかと思ったがそれほどでもなかった。お正月に出かけるには地味な場所なのかもしれない。
用心して都電荒川線で庚申塚から会場へ向かった。大塚の停留所に行ったらこみち師匠が一番前に並んでいた。小柄な師匠だが芸人の風格を漂わせていた。
会場はほとんど男性客で占められていた。こみち師匠目当てか貞鏡さん目当てか。 まずはふたりのトークから始まった。こみち師匠は黒の紋付、貞鏡さんは華やかな柄の着物でいかにもお正月らしい。
演目の一番手はこみち師匠で「母と娘と目薬と」、登場人物を母と娘に変えてあるが古典落語の「目薬」だ。
次は貞鏡さんで「柳生二蓋笠」。剣豪柳生又十郎の逸話である。貞鏡は昭和61年生まれというから32才、講談師の中ではかなり若い方だ。だが言葉に力があり、歯切れも良い。なかなかの逸材ではないか。
仲入り後は貞鏡で「鼓ヶ滝」、歌人西行の修行時代の話だ。話の中に和歌を読み込み、正月らしい。
トリはこみち師匠で「宿屋の富」。貧乏だが見栄っ張りの江戸っ子が勧められるがままに富くじを買い、千両当たってしまう。当たったら宿屋の主人に半分やると行った手前困り切る。さて…。という噺をテンポよくスイスイと語る。噺によどみがない。何度も聴いた噺だが新鮮で面白かった。
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