場所は東京藝術大学構内、森の中のコンサートホールである。秋晴れの祭日。観客の出も早い。入口の前はあっという間に3列に人が並んでいる。
定員1100名の会場はサントリーホールを小型にしたようで実にいい感じ。正面中二階には立派なパイプオルガンがある。
ベートーヴェンの「交響曲第4番」は聴いたことがない。ベートーヴェンらしい激しいところや強調するところもなくオーソドックスな交響曲という印象を受けた。小編成のオーケストラであった。
バルトークの「管弦楽のための協奏曲」は対象的に大編成のオーケストラで演奏された。
特徴はそれぞれの楽器の特色を強調した曲作りにあると思った。
チェロとコントラバスの低音を強調した部分、ヴァイオリンの涼やかな音を強調した部分、フルートとピッコロの高音を強調した部分、トロンボーンの腹に響く低音を強調した部分等々。
5楽章に渡って繰り広げられる音の競演に観客も一体になって楽しんでいた。
演奏会が終わって外に出たら上野の森の日の暮れるのは早く午後5時なのに夕暮れであった。
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