場所は東京藝術大学構内、森の中のコンサートホールである。向かいの森の中に美術館がある。上野の森というが国立博物館の奥まで来るとそれを実感する。ひとつひとつの木の幹が太い。
定員1100名の会場はサントリーホールを小型にしたようで実にいい感じ。正面中二階には立派なパイプオルガンがある。今日の演奏でもバッハの曲に使われた。
「J.S. バッハの管弦楽作品による組曲」はバッハの4つの曲をマーラーが編曲して組曲としたものである。それぞれ有名な曲を使っている。第三楽章は「G線上のアリア」を編曲したものでマーラーの交響曲第5番の第三楽章の有名な旋律を連想した。それぞれバッハの曲ではあるのだがマーラー編曲ということでマーラー風の味付けがなされている。風のようなバッハの曲が厚みのある低音に支えられて重厚な曲に変化していた。
「交響曲第7番」は演奏時間80分の大曲である。使う楽器も多く舞台いっぱいに広がる。後方一列は全て打楽器である。今回の「7番」にはギターやマンドリンが登場する。
内容は重厚で作曲者が内面を深く掘り下げながら作曲したのがわかる。特徴は管楽器と打楽器がフル活動する。80分の間ほとんど休みなく活動する。
第二楽章が終わったところで全員がチューニングし直す。第一楽章と第二楽章がいかに激しい曲であったかがわかる。
全ての演奏が終了した時の拍手の激しさは演奏に劣らず激しいものだった。観客も一緒になって演奏会を作り上げたという達成感があった。
入場した時は降っていた雨は出た時はやんでいた。夜の上野の森を根津方面に歩いた。
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